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環境ニュース[海外]

EPA、五大湖に排出される蓄積性有害化学物質を削減

水・土壌環境 水質汚濁】 【掲載日】2001.04.04 【情報源】アメリカ/2000.11.02 発表

 11月2日、EPA長官は、水銀ダイオキシンPCB類及び農薬など、魚及び野生生物に蓄積する有害化学物質の五大湖への排出を禁止するため、「混合帯(mixing zones)」を廃止する規制案を最終的に確定した。
 「混合帯」は、工場等からの汚水を希釈して湖に排出するために使われている水域。これまで、「混合帯」内では、周辺の水で希釈されるからという理由で、水質基準を超えて有害汚染物質を排出することが認められてきた(混合帯から出る排水が、水質基準を満たしていればよい)。
 しかし、このような有害物質の排出によって、実際に人々の健康、水生生物及び野生生物が脅威にさらされている。特に、蓄積性の有害物質については、生体内に蓄積し、食物連鎖を通じて影響が出るおそれがある。
 EPAは、五大湖地域で許可を受けている約600の産業施設及び自治体の処理施設のうちの半数が、蓄積性の有害化学物質を混合帯に排出していると算定。
 混合帯への新規の排出を直ちに禁止するとともに、今後、10年間をかけて混合帯を廃止することとした。これにより、年間最大70万ポンドにも及ぶ有害化学物質の排出が禁止され、水銀(単体)については、最大で90%削減されるという。
 ただし、既に蓄積性有害化学物質の排出を削減しており、技術的・費用効果的にこれ以上の削減が不可能な事業者に対しては、例外が認められている。
 なお、五大湖の周辺8州のうち、3州(ニューヨーク、オハイオ、ペンシルヴァニア)は、このルールを採択するため18か月の猶予を有する。他の5州(イリノイ、インディアナ、ミシガン、ミネソタ、ウィスコンシン)は、すでに五大湖における混合地域を禁止している。
 EPAは、さらに、五大湖以外の地域でも、2001年半ばから混合帯を規制するため、作業を進めている。【EPA】

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