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環境ニュース[海外]

中国 風力発電電力網入札による価格決定は吉か凶か

エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2007.05.24 【情報源】中国/2006.02.22 発表

 1月24日に「再生可能エネルギー発電価格と費用分担管理試行弁法」(以下、「試行弁法」)が発布されてから間もなく、ある環境保護組織が「試行弁法」第6条の“風力発電プロジェクトの電力網価格は政府指導価格を導入し、電力価格基準は国務院主管部門が入札価格によって確定する”という条項に対し異議を示し、「試行弁法」には風力発電電力網に関して効果的な支援策が定められていないとし、中国の風力発電の大きな好機を逃すことに繋がるのではと危惧している。
 風力発電電力網価格は固定価格か入札価格の二種類の方式を採用するが、環境組織は電力網入札価格制が風力発電産業の長期的で健全な持続的発展に不利益をもたらすと考えている。一方、風力エネルギー専門家は入札価格制が価格競争を招くか否かは判断が難しいが、民間資本の風力発電産業参入に有利であると考えている。国家風力産業協会の秦海岩事務局長は、固定価格を導入すれば風力発電の発展が速くなりすぎ、ただでさえ国産設備の少ない中国国内市場が国外メーカー市場となる、とみている。
 秦氏は、入札価格制が低価格競争を引き起こすか否か今は分からないが、もし発生した際には風力発電産業の発展を制約すると考えるが、本来政府が大手メーカーに対し見本価格に一定の価格を上乗せして提示しているため、無秩序な競争にはならないと考えている。
 入札価格制を選ぶ理由としては、政府部門は、入札価格制は風力発電設備国産化と風力発電プロジェクトの規模化に有利であるとし、風力エネルギー専門家は風力発電発展の段階的目標に基づいてふさわしい政策を導入すべきで、目標別に異なった政策を導入する必要があるとしている。
 国家発展改革委員会エネルギー局の関係者は、中国の風力発電産業はあまりに弱く、固定電力価格と入札価格のいずれにも問題があるが、後者の場合は風力発電設備の参入率が高い状況になり、風力発電設備国産化とプロジェクト大規模化を促進できるとしている。
 計画では、2010年に500万kWの規模となる計算で、その市場規模は200億元余りとなる。しかし現在国外の風力発電設備が中国国内市場の大きな割合を占めている。専門家は、中国企業は入札を通して中国の状況に基づいて実行可能な設備を設計できるが、これは中国風力発電設備製造企業の大きな発展のチャンスになると見ている。【中国環境報】

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