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環境ニュース[海外]

UNEP 地中の生物多様性が、環境にやさしい農業の鍵に

自然環境 生物多様性】 【掲載日】2006.04.11 【情報源】国連/2006.03.22 発表

 人工肥料よりも、地中のバクテリアや菌類に頼ってきた途上国の農家には、より良い収穫を享受している者もいる・・・UNEPがメキシコなどで実施してきた事業で、こうした成果が明らかになった。
 この事業は、熱帯土壌生物・肥沃度研究所(TSBF-CIAT)によりコーディネートされたもので、地球環境ファシリティー(GEF)の資金提供を受けている。事業の目的は、土壌の肥沃度を維持、回復、改善するために、地中の生物多様性を理解・管理するとともに、ミミズや甲虫類から、菌類、バクテリアにいたるまで、地中の生物を分類することである。専門家は、このようなプロジェクトが未知の生物の宝庫を探るもので、新薬の開発につながる可能性もあると信じている。
 調査対象国は、ブラジル、コートジボアール、インドネシア、インド、ケニア、メキシコおよびウガンダ。メキシコでは、窒素固定微生物の調査が行われ、森林の土壌中に自然に生息している根粒菌を「生物肥料」とする試験が行われた。この結果、マメの収穫量は40%増加し、さらに、人工肥料の使用量が減少したことなどで、生産コストは半分に減った。また、メキシコの調査では、3種類のアリ、15種類の菌類(土壌から植物がミネラルや水を吸収するのを助けるもの)が新たに発見された。
 同研究所のHuising氏は、事業の初期的な成果について、「地中の生物多様性の経済的・環境的な重要性だけでなく、これを保護する必要性を強調するものだ」と指摘。調査に参加した国々から得られた発見によれば、「集約的な農業は、土壌中の生物、ひいては土壌の肥沃度や生産性を著しく減少させるおそれがある」と述べた。【UNEP】

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