一般財団法人環境イノベーション情報機構
フィンランド環境研究所、同国水域のマイクロプラスチックについて調査結果を発表
【地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2020.09.10 【情報源】フィンランド/2020.08.24 発表
フィンランド環境研究所(SYKE)は、フィンランドの水域のマイクロプラスチックについて2016年からの調査をまとめ、結果を発表した。調査対象の水域と水生動物のすべてにマイクロプラスチックが確認された。・生物への影響
マイクロプラスチックがもっとも大量に確認されたのはムラサキイガイで、バルト貝やユスリカ幼虫などの底生動物ではこれより少なかった。魚類中の量は、地域と種類によって大きく異なった。外洋のバルト海ニシン、バルト海スプラット、イトヨでは非常に少量であったが、沿岸のヨーロピアンパーチ、ブリーク、イトヨと内陸部のカッラヴェシ湖のヨーロッピアンパーチとモトコクチマスでは非常に多かった。
・水域のマイクロプラスチック密度
水面の密度は、沿岸部も内陸のカッラヴェシ湖も同程度であった。マイクロプラスチックの発生源がほとんど陸上のためで、市街地からの雨水、雪解け水が重要な流入経路と考えられる。バルト海海底の堆積物は、同じエリアの海水より密度が高かった。沿岸部の堆積物も比較的高い密度で、ノルウェー沿岸堆積物とバルト海南部とは同じレベルであった。
・プラスチックの種類
調査過程で開発した分光分析によって、プラスチックの種類を特定した。魚類と底生動物では、ポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が多かった。
【フィンランド環境研究所】