一般財団法人環境イノベーション情報機構
風力エネルギー拡大による経済的負担はわずか
【エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2005.03.15 【情報源】ドイツ/2005.02.23 発表
ドイツ・エネルギーエージェンシーは、2月23日、報告書「2020年までの内陸及び洋上風力エネルギーの送電網連結に関するエネルギー産業計画」を発表した。同報告書では、風力発電施設の増築に伴って必要となる送電網の整備は、安く実現でき、さらに、これまで指摘されていたブロックアウトや追加的な変電施設の建設などの問題も、現実性を帯びたものではないことが報告された。報告書の概要は次のとおり。
●風力エネルギーの拡大による平均的な家庭(3500kWh)の負担額は2015年までは月当たり1ユーロ(135円)。
●風力発電施設導入による送電網の新規拡張は、2015年までに850kmとなるが、これは、ドイツ全国の送電網18,000kmの僅か5%に該当。これらの送電網の拡張のためには、2015年まで毎年1億1500万ユーロ(約155億円)の投資が必要となるが、全国の送電網への投資額は毎年20億ユーロ(2700億円)であり、これに比べれば僅かな投資額である。
●ブラックアウトなどの技術的不安定要素は克服できるため、供給の安定性は確実。
●追加的な変電施設の建設は無用。
●連邦政府は、再生可能エネルギーの割合を2010年に12,5%、2020年に20%に高めることを目標にしているが、2015年までに20%を達成することが可能。
●CO2排出抑制に要する費用は、2015年には、1tあたり40.6〜58.9ユーロ(約5500円〜8000円)になる。風力発電は従来の燃料と比較して、競争能力のあるエネルギー源である。【ドイツ連邦環境省】