一般財団法人環境イノベーション情報機構
UNEP 廃船解体ガイドライン策定作業進む
【ごみ・リサイクル 産業廃棄物】 【掲載日】2001.07.04 【情報源】国連/2001.06.19 発表
環境に負荷の少ない、廃棄解体のための国際ガイドラインを作成すべく、バーゼル条約専門家委員会が、6月18日から20日まで、ジュネーブで開催された。巨大な船を廃棄するに当たっては、PCBs等の残留性有機汚染物質(POPs )、水銀や鉛等の重金属、アスベスト、石油など多くの有害廃棄物の除去が必要なる。また、解体作業に伴い、ダイオキシンや硫黄煙が発生することもある。
89ページに及ぶガイドラインは、環境に配慮した形で廃船解体を管理していくため、廃船解体の普遍的な原則を提示し、リスクを最小限に抑えるよう模索するもの。同ガイドラインでは、部品の使途分類(リユース、リサイクル、廃棄物等)、汚染物質の可能性の調査、有害物の流出防止といった手続について、詳細に書かれている。
船の解体は、解体国の経済にも寄与する。現在、廃船解体は世界の41%をインドが、7%をバングラディッシュ、6%をパキスタンが担っている。解体過程でのバーゼル条約違反を憂慮し、EUは領域内での廃船解体の可能性を調査し始めた。アメリカでは、政府所有船の国外での解体の為の輸出を禁止し、自国内での処理を模索している。他方、アジア廃船業者も、廃船解体という重要なビジネスを失わないよう努力するであろう。
ガイドライン草案は、今後、10月の専門家作業グループで最終確定され、2002年に予定されている第19回バーゼル条約締約国会議で採択される予定である。【UNEP】