一般財団法人環境イノベーション情報機構
EPA NOxの国内排出量取引に関する進捗状況報告書を公表
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2004.09.17 【情報源】アメリカ/2004.09.02 発表
EPAは、「NOxバジェット取引プログラム2003進捗・遵守報告書」を公表した。同プログラムは、アメリカ東部にある発電所およびその他の大規模焼却施設からのNOx排出を削減するために設けられた、キャップ・アンド・トレード・プログラム。今回公表されたのは、同プログラムについて評価を行った初めての報告書である。
このプログラムでは、北東部の8州およびコロンビア特別区にある発電所等からの、オゾン・シーズン(1年のうち、地上レベルオゾン濃度が高い期間。一般的には4月から9月だが地域差がある)におけるNOxの総排出量は、2002年レベルより30%減少した。このプログラムは、他のNOx規制プログラムとの組み合わせにより、これらの州において、オゾン・シーズンにおけるNOx排出量を、1990年レベルより70%削減している。2003年では、99%を超える発電所等が遵守していたが、遵守していない発電所等に対しては、今後さらなる排出削減を義務づけるペナルティが科された。
この報告書では、キャップ・アンド・トレード・メカニズムが、広い地域における汚染物質の管理に当たり、効果的かつ効率的な方法であることが示されている。ただし、このプログラムで設定された上限値だけでは、対象となる州のすべての地域において、8時間オゾン基準を達成することは不可能であろう。このため、ブッシュ政権では、非道路用ディーゼル大気浄化規則、州際大気浄化規則など、大気浄化に関するさまざまな規則を通じて、NOxなどの排出のさらなる削減を目指している。【EPA】