一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州委員会 WTOドーハラウンドの軌道修正に向け、交渉戦略を見直す
【エコビジネス 環境と経済】 【掲載日】2003.12.11 【情報源】EU/2003.11.26 発表
欧州委員会はドーハ交渉の再開に貢献することを目指し、11月26日、戦略ペーパーを採択した。これは、カンクンにおけるWTO閣僚会議の失敗を受け、EU加盟国、欧州議会及び関係者との集中的な協議を経て策定したもの。多国間貿易システムの優先、市場アクセスに伴うルールづくり、ラウンドの進展といったEUの基本的な交渉目標は維持しつつ、今回のペーパーでは、交渉戦略を変え、より柔軟な姿勢をとるよう勧告している。貿易と環境については、貿易が持続可能な開発に役立つものとなるようにするというEUの志を維持する必要性、及びWTOにおいてもヨハネスブルグの約束を実行するという決意を重視する意見が寄せられた。しかし、欧州委員会では、これらの目的を達成するために、柔軟な姿勢をとる用意がある。多国間環境協定とWTOとの関係については、政治的なコミットメントに重点を置く。環境関連製品・サービスに関しては、市場開放が、まず途上国に利益をもたらすことを目的とするよう提案する。さらに、途上国への技術的支援により、貿易と環境の問題を扱う能力を強化するよう提案する。【欧州委員会環境総局】