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環境ニュース[海外]

欧州委員会 世界のエネルギー・技術・気候政策の30年間の予測を公表

環境一般 調査/研究】 【掲載日】2003.05.22 【情報源】EU/2003.05.12 発表

 欧州委員会は、5月12日、エネルギー、技術及び気候変動問題に関する、今後30年間の予測「世界のエネルギー、技術及び気候政策概観(World Energy, Technology and Climate Policy Outlook: WETO)」を公表した。
 この研究は、フランス、ベルギー及び欧州委員会の研究機関が共同で実施してきたもの。世界のエネルギー事業、エネルギー技術の進歩、気候変動政策の影響について、将来の予測が示されている。予測結果は、主に、EUが別のエネルギー研究で10年をかけて開発してきた世界エネルギーモデル「POLES」から得られたものである。なお、この研究は、第6次EU研究枠組みプログラムにおける重点課題となっている。
 主な予測結果は以下のとおり。
●エネルギー需要の増加
 世界のエネルギー需要は2000年から2030年の間に毎年約1.8%ずつ上昇する。今日、途上国のエネルギー需要は、世界の需要量の40%を占めるが、2030年には50%を越える。CO2排出量は、毎年平均2.1%増加し、2030年には、1990年レベルの排出量の2倍近くに達する。
●石油・ガスの生産量と価格は急増
 世界の石油生産は2030年には65%増加し、ガス生産は2000年から2030年にかけて倍増する。石油及びガス価格は大幅に上昇し、石油は2030年には1バレルあたり35ユーロ(4200円)に達する。発電量も、平均年3%の割合で着実に増加し、発電におけるガス、石炭の役割は増大する。再生可能エネルギー源(特に風力発電)の占める割合は、4%と値は小さいものの増加する。
●ヨーロッパ、消費は低下するがエネルギー資源の域外依存度が高まる
 ヨーロッパのCO2排出量は、2030年までに1990年レベルから18%増加する(アメリカは約50%の増加)。ヨーロッパはエネルギー資源としてますますガスに依存することになるが、ガス生産は旧ソビエトと中東に集中しているため、域外に依存する率が高まる。
●技術的側面
 原子力や再生可能エネルギーを大規模に利用することになれば、京都議定書目標を達成するためのコストを30%削減できる。エネルギー需要及びエネルギー消費における炭素集約度を削減することでも、大幅な排出削減が可能である。産業界はエネルギー需要の削減に最大限の努力をしていると予測されている。炭素集約度の削減は、主に、石炭から(量は少ないが石油からも)、ガスやバイオマス燃料へのシフトによる。風力、太陽光、水力発電の相当な増大も考慮される。
【欧州委員会環境総局】

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