一般財団法人環境イノベーション情報機構
ドイツ、連邦環境庁が国土の2%を水域に戻すことによる影響を試算
【環境一般 調査/研究】 【掲載日】2025.11.07 【情報源】ドイツ/2025.10.20 発表
ドイツ連邦環境庁(UBA)は、国土の2%を河川や小川に戻すことで、EUの複数の水域保護目標の達成が可能になるとの試算結果を発表した。現在、ドイツの水域は約7000平方キロメートル分の面積を失っており、これらの土地は自然に近い河川・氾濫原の整備、洪水対策の改善、生物多様性の保全、気候変動への適応に不可欠だとしている。
環境庁長官のメスナー氏は、「水域の保護は気候変動対策にも直結する。河川沿いの氾濫原はスポンジのように水を吸収し、洪水時には水を蓄え、干ばつ時にはゆっくりと放出する。
さらに猛暑時には周囲を冷却する効果もある。」と述べた。
国土の2%を自然に近い河川や小川に戻すことは容易ではなく、水枠組み指令が施行された2000年以降、都市開発や交通インフラの建設で4500平方キロメートル以上が利用され、回復された氾濫原はわずか71平方キロメートルにとどまるという。
しかし、連邦環境庁は、自然再生は環境・自然・気候対策と整合していることから、水域開発のための土地目標の設定は、重要な要素となるとしている。
【ドイツ連邦環境庁】