一般財団法人環境イノベーション情報機構
ドイツ、航行船舶に搭載されているスクラバーによる海洋環境に関するファクトシートを公表
【環境一般 調査/研究】 【掲載日】2025.10.10 【情報源】ドイツ/2025.09.24 発表
ドイツ連邦環境庁(UBA)は、航行船舶に搭載されているスクラバーの使用による海洋環境への影響に関するファクトシートを公表した。スクラバーは船舶からの排気ガスに含まれる硫黄酸化物(SOx)などの有害物質を除去するための装置であり、硫黄分規制を遵守するための硫黄酸化物排出削減手段として国際海事機関(IMO)によって承認されている技術であるものの、その排水には亜硫酸、有害な重金属、多環芳香族炭化水素、および油などが含まれており、これが海洋に排出されると生態系に悪影響を与えることが分かっている。
安価な重油を引き続き使用できることから、現在、世界中で5000隻以上の船舶にスクラバーが搭載されており、その使用により、海洋環境への負荷が著しく高まっている。
連邦環境庁は、より環境負荷の少ない低硫黄留出燃料やまたは低排出で気候中立的な代替燃料への移行を推奨しており、一方でスクラバーの使用を全面的に禁止することは、現在のところ政治的に実現が困難なため、連邦環境庁は他の行政機関と連携し、排水の排出禁止を現実的な目標として取り組んでいる。
【ドイツ連邦環境庁】