一般財団法人環境イノベーション情報機構
経済協力開発機構、各国が約束中の排出削減量では1.5℃目標達成に遠く及ばないと報告
【環境一般 調査/研究】 【掲載日】2024.11.26 【情報源】国際機関/2024.11.07 発表
経済協力開発機構(OECD)は、報告書「気候行動モニター」(2024年版)を公表した。これによると、パリ協定の目標達成に必要な温室効果ガス(GHG)排出削減量と各国が約束している削減量との間には大きな乖離がある。
世界のGHG排出量の80%以上を占める国々(注)が約束している2030年までの排出削減量の合計は2022年比で14%の削減にしかならず、温暖化を1.5℃に抑えるのに必要とされている43%の削減には程遠いという。
また、ほとんどの国は約束を履行するための法的根拠を欠いており、排出実質ゼロ目標は達成されない恐れがある。
2024年8月時点で、世界のGHG排出量の約88%を占める110ヶ国が2050年かそれ以降に排出量を実質ゼロとすることを目標に掲げているが、こうした目標を法律に明文化しているのは世界のGHG排出量の16%を占める27ヶ国とEUだけである。
このほかにも報告書は、近年、各国の気候政策行動の増加ペースが減退していることや、気候関連災害の影響が増大していることも浮き彫りにしている。
(注)OECDの気候行動に係る国際プログラム(IPAC)の対象国を指す。具体的には、OECD加盟国、OECDパートナー国(ブラジル、中国、インド、インドネシア、南アフリカ)やアルゼンチン、ブルガリア、クロアチア、ペルー、ルーマニア、サウジアラビア、マルタ、EU。
【経済協力開発機構】