一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、欧州の水は汚染、過剰使用、気候変動の負荷を受けていると報告
【水・土壌環境 水質汚濁】 【掲載日】2024.10.30 【情報源】EU/2024.10.15 発表
欧州環境庁(EEA)は、報告書「欧州の水の現状2024:水レジリエンス向上の必要性」を発表した。2000年 制定のEU水枠組み指令は、加盟国に対し2015年(遅くとも2027年)までに、淡水域(地表水・地下水)を生態的・化学的に「良い」状態にすることを求めている。
指令に基づく取組により一定の進捗はあるが、石炭火力発電や農薬・化学肥料の使用などから発生する化学物質による汚染は進み生態系の劣化も拡大、さらに気候変動による気象パターンの変調が水資源と管理に負荷をかけており、淡水資源は質量ともに危機にあるという。
2021年に、指令の基準で生態的に「良い」、「ひじょうに良い」状態であった地表水域は37%、化学的に「良い」状態(良い水質)であったのは29% にすぎなかった。
EEAはこのままでは目標達成はきびしいとして、水使用量の削減と効率の向上、汚染防止対策、河川・氾濫原の連続性の再生や湿地・泥炭地の再生などによる健全な淡水域生態系の形成など取組の促進・強化を要請している。
【欧州環境庁】