一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、EUにおける使用済み繊維の増加と輸出に伴う課題を報告
【ごみ・リサイクル ごみ処理】 【掲載日】2023.03.15 【情報源】EU/2023.02.27 発表
欧州環境庁(EEA)は、循環型経済の観点からEUにおける使用済みの繊維の輸出について分析したブリーフィングを公表した。これによると、EUから輸出された使用済み繊維は過去20年間で3倍となった。域内では2025年までに繊維廃棄物を分別収集することが義務づけられており、繊維廃棄物はさらに増える可能性があるという。2019年はEUから一人当たり平均3.8kg(一人当たり繊維消費量の25%)に相当する使用済み繊維が輸出されており、このうち46%はアフリカ向け、41%はアジア向けであった。これらは再利用される以外にも、埋立地への廃棄、非正規ルートによる処理、工業用へのダウンサイクル、再輸出などに回され、行く末が分からないことが多い。こうした輸出の課題に対処する必要があることは、2022年3月の「持続可能で循環型の繊維製品に関するEU戦略」にも明示されている。またEEAは、別途公表した報告書の中で、より持続可能だとされている植物由来の繊維について、環境負荷や環境問題とも無縁ではないと指摘している。
【欧州環境庁】