一般財団法人環境イノベーション情報機構
国際エネルギー機関、石炭需要はピークに近く、今後横ばいで推移と発表
【エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2023.01.11 【情報源】国際機関/2022.12.16 発表
国際エネルギー機関(IEA)は、「石炭年次報告書2022」を発表した。2021年に世界の石炭消費は、新型コロナウイルス感染症の影響で急減した前年から6%増加した。2022年は、前年比1.2%増と小幅増ながら、初めて80億トンを超え2013年の記録を更新する見込み。需要増に伴い、石炭価格は2022年3月に史上最高、6月に再び更新した。が、高価格で開発余地があっても、投資家・企業は石炭の将来への警戒感を示し、輸出向け石炭開発投資は増加傾向にはない。石炭需要は2022〜2023年にピーク、その後2025年まで横ばいとした「石炭年次報告書2021」の予測は、ロシアのウクライナ侵略によるエネルギー危機下の「石炭年次報告書2022」でも変更はない。天然ガスの価格高騰で石炭依存は強まったが、経済成長の鈍化による電力・工業部門の需要の減退、再生可能エネルギーの増加等が相殺し、アメリカ、EUではクリーンエネルギーへの移行が促進する。しかし、経済・気象・政策等で増加に転じる可能性もあり、石炭生産・消費大国である中国・インド・インドネシアの動向が注目される。また、各国の移行努力が重要である。
【国際エネルギー機関】