一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州委員会、産業排出指令の改正案で大規模産業施設からの汚染物質排出削減を強化へ
【環境一般 まちづくり】 【掲載日】2022.04.25 【情報源】EU/2022.04.05 発表
欧州委員会は、大規模な産業施設のグリーン経済への移行を後押しすべく、産業排出指令の改正を提案した。改正によって、2050年までに汚染ゼロで気候中立型の経済への移行を目指す欧州に必要な産業投資を行えるとしている。現行の指令では域内の約5万の大規模産業施設や集約的な畜産農場(養豚、養鶏)が対象となっており、これらの施設には汚染物質排出許可の要件が設けられ、利用可能な最良の技術(BAT)の導入が求められている。改正案では、加盟国が排出許可を見直したり新しい許可要件を設定したりする際により厳しい排出上限値を使用することが求められる。また、対象となる産業活動や施設は、エネルギー鉱物を除く資源採掘の施設やeモビリティ用バッテリーの大規模工場、畜牛農場にも拡大する。他にも、画期的技術への支援強化や循環型経済への投資の支援、汚染物質の排出減と脱炭素化の相乗効果への配慮、許可要件の設定における透明性の向上や一般市民の参画、情報公開などが内容となる。今後、改正案は欧州議会とEU理事会に諮られる。【欧州委員会】