一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、再生可能エネルギー技術の急速な発展で生じる資源や廃棄物の問題について報告
【エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2021.09.08 【情報源】EU/2021.08.24 発表
欧州環境庁(EEA)は、再生可能エネルギー技術の急速な発展によって生じる新たな資源及び廃棄物の問題について論じたブリーフィングを公表した。これによると、欧州が2050年までの気候中立目標を達成するには再生可能エネルギーへの移行を急ぐ必要があるが、これを可能にするインフラ(風力タービンやソーラーパネル等)の開発や導入などには、EUの重要な原材料リストに挙がっている物質を含め大量の資源が必要となる。また、技術開発のペースが速ければ設備の陳腐化が早まって、寿命が尽きた設備からは貴重な資源を含む廃棄物が大量に発生し、その量は今後10年間で最大30倍にもなると見込まれる。これらの資源を回収して生産工程に再投入すれば希少な原材料を節約できるが、物流の複雑さやリサイクル性を考慮していない設計、有害物質の存在といった課題もある。EEAは、これらの課題に対処するため、早い段階からエコデザインや材料ごとのリサイクル目標、拡大生産者責任といった循環型経済原則を採り入れた政策を導入することが有効だと示唆している。【欧州環境庁】