一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州化学物質庁、狩猟・屋外射撃用の銃弾や釣り具への鉛の使用に対する規制案を提出
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2021.02.22 【情報源】EU/2021.02.03 発表
欧州化学物質庁(ECHA)は、狩猟・屋外射撃用の銃弾や釣り具への鉛の使用に対するEU規制案を提出した。ECHAによると、年間1億2700万羽以上の鳥類が鉛中毒のリスクにさらされ、人も鉛弾による狩猟、鉛製銃弾や釣り具の製造等を通して鉛に暴露している。鉛暴露は特に子供の神経発達に有害で、約百万人の小児が狩猟肉の摂取により鉛中毒を起こしやすい。
こうしたリスクに対処するため、同庁はリスク管理の様々な選択肢を評価し望ましい選択肢を特定。狩猟・屋外スポーツ射撃用鉛散弾の販売・使用の禁止、銃弾への鉛の使用禁止、鉛を含む釣り用重り・疑似餌の販売・使用の禁止等を提案している。鉛弾の軍事的使用や非民間人(警察、税関等)による使用、屋内使用は適用外とする。
同庁の試算では、規制が導入されれば環境中に放出される鉛は20年間で約170万トン減少、狩猟肉の摂取が多い家庭の小児も守られる。大口径鉛弾の使用を段階的に削減すれば年間最大7000人の小児の知能指数低下を回避できるという。
同案は2021年1月25日に採択された湿地での鉛弾の使用規制に続くもの。3月24日に6ヶ月協議が開始される。
【欧州化学物質庁】