一般財団法人環境イノベーション情報機構
WTO農業交渉に提案
【エコビジネス 環境と経済】 【掲載日】2003.01.10 【情報源】EU/2002.12.16 発表
欧州委員会は、12月16日、農業に関するWTO交渉に野心的な案を提出した。ペーパーは、改善された市場開放及び貿易に歪みをもたらす補助の縮小を求めるもの。主要な論点としては、他の先進国からの公平なバーデン・シェアリングがあることを規定し、輸入関税を36%、輸出補助金を45%削減するとともに、貿易に歪みをもたらす国内農業補助を55%削減することとしている。途上国への好意的な扱いもいくつか含まれており、最貧国からの農業輸出品に関しては無関税かつ割当制限なしに取引可能とすること、豊かな国々は関税なしでアクセスできる輸入量の少なくとも50%を途上国からのものとすること、途上国の開発を促進し、食糧安全保障用の主要な穀物を確保する手法として「フード・セキュリティ・ボックス」を設置することがあげられている。この提案では、環境、田園地域開発、動物の福祉といった非貿易的事項の重要性が強調されている。
環境、伝統的景観、生物多様性の保持といった特定の社会的目標の達成は許されることになっており、目標を定め、透明性を持ちかつ貿易への歪みを最小化する方法である限りは、これらへの補助は貿易を歪曲するものとは見なされないこととしている。【欧州委員会環境総局】