一般財団法人環境イノベーション情報機構
ドイツ 現在の交通政策は低所得者層に不利であるとするポジションペーパーを公表
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2020.09.25 【情報源】ドイツ/2020.09.11 発表
ドイツ連邦環境庁(UBA)は、交通政策に関するポジションペーパーを公表した。これは、交通政策における平等性に関して分析したもので、ドイツの交通システムは、環境面だけでなく、社会的公正の視点でも迅速に改革を必要としていることを示している。特に低所得者世帯は自動車を使用しない、所有していないことが多いにも関わらず、交通量の多い道路の近くに住居を構え、騒音や大気汚染物質の深刻な影響を受けているという。一方、高所得者世帯は、平均的な所得の世帯よりも移動により多くの温室効果ガスを排出し、その他の環境汚染をより引き起こしているが、その結果として生じる環境コストの負担は一部にすぎないとしている。メスナー連邦環境庁長官は、「徒歩交通、自転車交通、公共交通を増やす交通シフトにより、我々の移動は社会面と環境面で公正となる。人々の生活空間は増え、生活の質は向上する」と述べた。連邦環境庁は、長期的な目標として大都市における自動車所有台数を人口1000人につき150台とする目標の設置を推奨している。現在、この数字はベルリンでは335台、ミュンヘンでは503台、ドイツ全体の平均では575台となっている。さらに、交通シフトの実現に必要となる財源については、環境に有害な補助金の解体により調達することを求めている。【ドイツ連邦環境庁】