一般財団法人環境イノベーション情報機構
ドイツ 家庭におけるエネルギー消費の増加とその対策について示す研究プロジェクトを実施
【環境一般 調査/研究】 【掲載日】2020.05.15 【情報源】ドイツ/2020.05.06 発表
ドイツ連邦環境庁(UBA)は、ドイツ国内の家庭におけるエネルギー消費の増加の要因や人々の行動が省エネルギーに与える影響について調査し、政策手段を提案した研究結果を公表した。これによると、電子電気機器の効率化は進む一方で、機器の個数の増加、機器の大型化、並びに一人当たりの住面積の増加によりエネルギー消費が増えていることが示されている。多くの市民が行動を是正する場合にのみ、より多くのエネルギー消費の削減が可能であり、大規模な財政的インセンティブやアドバイスの提供、省エネの義務化を通じて、それが達成できるとしている。例えば、効率的な住居利用により、2030年には年間のエネルギー消費量が20テラワット時から59テラワット時、削減する可能性を指摘している。これは、2基から6基の大型石炭火力発電所または原子力発電所における年間発電分に相当する。また、エネルギー消費の削減にはエネルギー効率だけではなく、冷蔵庫や冷凍庫などの家電製品の適切な大きさや数、使用方法が重要であるとしている。調査対象の世帯では、平均1.5台から1.7台のテレビと1.5台から2.2台の冷蔵庫を所有しており、冷蔵庫の追加購入が2030年までに「高齢者世帯」において廃止された場合、節約されるエネルギーは年間55.5ギガワット時になるとしている。これは、2万世帯分(1世帯4人)の電力使用量にほぼ相当する。研究プロジェクトにより、省エネルギーは、エネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの拡大に加えて、特に行動の変化を促す対策が重要であることを明確に示している。【ドイツ連邦環境庁】