一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州委員会、世界の船舶燃料の硫黄含有量制限の強化を歓迎
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2020.01.21 【情報源】EU/2020.01.03 発表
欧州委員会は、2020年1月1日から世界の船舶燃料に対する硫黄含有量の規制強化が実施されたことを歓迎し、硫黄酸化物に対するEUのこれまでの取組と今後の展望を示した。今回の規制強化は国際海事機関(IMO)の決定によるもので、硫黄含有量の上限がこれまでの3.5%から0.5%へと引き下げられた。船舶燃料はトラックや乗用車の燃料と比較して硫黄分を多く含み、燃焼による硫黄酸化物排出が酸性雨や人の呼吸器などへの健康被害を引き起こすことから、早急な対策が求められてきた。EUは船舶燃料の問題に対し、EU指令を通じてこれまでも積極的な対応を取ってきている。2015年にはバルト海など脆弱な生態系を硫黄酸化物排出規制区域に指定して最大含有量を0.10%と定めた結果、区域内の硫黄酸化物濃度が半減する成果をあげてきた。今後は排出規制区域を地中海などにも拡大する可能性の検討や、EUの新たな気候変動対策「欧州グリーンディール」に基づく海運部門の持続可能性の向上などを目指すという。【欧州委員会】