一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連環境計画、土地回復は持続可能な開発に重要と報告
【エコビジネス 環境報告書】 【掲載日】2019.09.25 【情報源】国連/2019.09.05 発表
国連環境計画(UNEP)の国際資源パネル(IRP)は、土地回復が気候変動緩和と持続可能な開発目標(SDGs)達成を促進する大きな可能性があるとする新報告書を公表した。現在、世界の土地の約4分の1が劣化している。国連は2021〜2030年を「生態系回復の10年」とし、2030年までに3億5000万ヘクタールの劣化した土地の回復を目指している。これにより、9兆ドルの生態系サービスを生み、大気中の温室効果ガスを13〜26ギガトン減らせるが、この目標達成には地球規模の行動が必要である。
IRPは報告書で、土地回復の過程でもたらされるSDGsの各目標間の共通便益とトレードオフを例示している。例えば、単一栽培は土壌回復(目標15)や炭素隔離による気候変動対策(目標13)には一定の効果があったとしても生物多様性保全にはつながらない可能性等を指摘、予期せぬ結果を防ぐため、投資の前に体系的分析を行うよう推奨している。
また、同報告書は、量的・質的モデリングが将来の投資の支援やプロジェクトの調整に有効であること、統合的な景観アプローチが土地回復への投資の総利益を拡大する鍵であること等も指摘している。【国連環境計画】