一般財団法人環境イノベーション情報機構
イギリスビジネス・エネルギー・産業戦略省、産業の排出削減のため水素・低炭素技術開発に3億9000万ポンドを追加
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2019.09.19 【情報源】イギリス/2019.08.29 発表
イギリスビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)は、温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロとする目標達成に向け、産業からの排出削減に有効な水素・低炭素技術の開発に3億9000万ポンドを新たに拠出すると発表した。その一環として、実行可能性を研究するプロジェクト20件が決定された。例えば、HySpiritsプロジェクトでは、水素製造に風力と潮力を利用する欧州海洋エネルギーセンターのプラントと共同で、クラフト・ジン(小規模生産のジン)の蒸留に従来の液化石油ガスではなく水素を使う試験を実施。成功すれば、CO2排出量を年間約86トン削減できるという。またDolphynプロジェクトでは、浮体式風力タービンのプラットフォームに電解槽を設置して水素を製造する試験を行う。
イギリスでは現在、エネルギー集約型産業からの排出量が全体の約10%を占め、政府は「クリーン成長戦略」で、産業界が化石燃料から低炭素燃料に転換する必要性を強調している。クリーン経済は2030年までに200万人の雇用と年間輸出額1700億ポンドをもたらす可能性があり、低炭素水素が重工業や電力、暖房、輸送の脱炭素化に重要な役割を果たすという。【イギリスビジネス・エネルギー・産業戦略省】