一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界資源研究所、電気バスを導入した16都市の教訓を分析
【環境一般 その他(環境一般)】 【掲載日】2019.06.05 【情報源】国際機関/2019.05.21 発表
世界資源研究所(WRI)は、電気バスを早期に導入した16都市の事例から、導入の課題と成功の鍵を分析した。世界の電気バスの導入は2011〜2017年に80倍以上も増加した。運行中の電気バスの99%を中国が占め、深圳市では1万6000台もの電気バスが運行している。電気バスの導入費用はディーゼルバスの数倍だが、長期的には維持費の削減になる。トルコのイズミルでは、電気自動車20台の導入によって燃料費84%、総維持費60%の削減になり、太陽光発電でバスを充電することでCO2排出を年間420トン削減した。導入の主な障害は財源だが、チリのサンティアゴの事例から、電気バスの特徴に合わせた調達計画の策定が有効であることが示された。他の課題として、南アフリカのケープタウンでは、電気バスと充電設備を収容するためバスターミナルの面積を40%拡大する必要があることが判明した。電力の確保にも課題があり、中国の鄭州市では電気バスを含む電気車両は2020年までに市の総電力使用の36%を占めると予想されている。分析は2冊の報告書にまとめられ、世界中の都市が電気バスの導入や規模拡大に向けて参照できる。【世界資源研究所】