一般財団法人環境イノベーション情報機構
オランダ国立公衆衛生環境研究所、アンモニアの排出量と大気中濃度の差は大気の化学組成の変化によると報告
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2019.02.01 【情報源】オランダ/2019.01.17 発表
オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)は、2005〜2016年のアンモニアの排出量と大気中濃度の変化が一致しないことについて、政策措置による大気・化学プロセスの変化が大きく働いたとする調査結果を公表した。RIVMは、環境と健康に有害なアンモニアの大気中濃度を常時測定している。一方、国内の産業、農業、運輸などによるアンモニア排出量も報告を基に算定している。一般的には排出量と大気中濃度は対応するが、2005年以降、アンモニアの排出量が減少しているにもかかわらず大気中濃度は増加した。RIVMによると、これまでに実施した環境政策によって硫黄と窒素酸化物の排出量が減少し、大気質は向上した。しかしこれらのガスはアンモニアと反応して粒子状物質を形成するため、粒子状物質の形成が減れば大気中に残るアンモニアが増加する。同様に大気汚染物質である大気中の酸性化物質が減少し、土壌と植生の酸性度が下がった結果、アンモニアの沈着が減少した。気象条件など他の要因も含めると、排出量と大気中濃度の変化の差の4分の3ほどが説明できるという。【オランダ国立公衆衛生環境研究所】