一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、2015年のアンモニア排出量は上限超過と報告
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2017.07.27 【情報源】EU/2017.07.12 発表
欧州環境庁(EEA)は、長距離越境大気汚染条約(LRTAP)のもと、2015年のEUの汚染物質排出状況に関する年次報告書を公表した。それによると、2015年にドイツ、スペイン、スウェーデン、EUでアンモニア(NH3)の排出量が上限を超過したという。EU加盟国でNH3の排出量は1990〜2015年にかけて23%減少したが、2014〜2015年にかけて1.8%増加した。NH3排出量が最も増加したのは、フランス、ドイツ、スペインだった。欧州のNH3排出の約94%は農業に由来し、肥料貯蔵、スラリー散布、無機質窒素肥料使用などの活動から発生している。NH3は生態系の富栄養化や酸性化に寄与するうえ、大気中で粒子状物質を形成する。一方、LRTAP対象のうちNH3以外の主要汚染物質の排出量は1990年以降大幅に減少しているという。一酸化炭素(CO)、非メタン揮発性有機化合物(NMVOC)、窒素酸化物(NOx)は、1990年以降それぞれ68%、61%、56%減少した。【欧州環境庁】