一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ環境保護庁、水圧破砕法は飲料水に影響しうると結論
【水・土壌環境 水質汚濁】 【掲載日】2017.01.06 【情報源】アメリカ/2016.12.13 発表
アメリカ環境保護庁(EPA)は、シェールガス採掘に用いる水圧破砕法は一定の状況下で飲料水資源に影響しうるとした最終報告書を公表した。この結論は1200件以上の科学的資料の検討、専門家やステークホルダーの情報・意見、この報告のために実施された新たな調査等に基づき、水圧破砕が実施または検討されている地域が飲料水資源を保護できるよう科学的根拠を示した。報告書は、水圧破砕の工程を(1)水の取得、(2)化学物質の混合、(3)ガス井への注入・シェール層の破砕、(4)ガス井からの廃液の回収、(5)廃液の処分または再利用、の5段階に分け、各段階での飲料水への影響が起こる場合を特定した。飲料水への影響は主にガス井の周辺で発生したが、その深刻度は一時的な水質変化から、飲料水用井戸が使用不能になる汚染までさまざまだったという。また、EPAは水圧破砕の影響の頻度と深刻度が高まる条件を特定し、水量が低下している地域での取水、破砕液や廃液の漏出、十分な強度のないガス井への液の注入などを挙げた。報告書は不確実性とデータの不足も指摘し、このために影響を評価する能力は限定的だとしている。【アメリカ環境保護庁】