一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界銀行、気候変動によって深刻化する水不足はGDPの最大6%のコストを生む可能性があると予測
水・土壌環境】 【掲載日】2016.05.24 【情報源】国際機関/2016.05.04 発表
世界銀行は、水不足によって一部の地域で経済成長率が低下し、紛争が誘発され、人々の移住が加速する可能性があると報告した。人口や収入の増加、都市化によって、水の需要は急増しているが、気候変動の影響から供給はますます不安定になっている。世界銀行によると、中央アフリカや東アジアなど現在は水が潤沢な地域でも、早急に対策を取らなければ水不足に直面するという。中東やアフリカのサヘル地域などでは既に直面している水不足がさらに深刻化し、農業、健康、収入に及ぼす水関連の影響によって2050年までに成長率がGDPの最大6%低下すると予測されている。経済成長が降雨量の影響を強く受ける地域では、干ばつによって食料価格が急騰することなどから、資源をめぐる対立が加熱し、移住が促進される可能性もある。しかし、世界銀行は、多くの国では水資源配分のプランニングの改善、水効率を高めるためのインセンティブの導入、水の供給と入手を確かなものにするインフラへの投資、といった対策を取ることで水不足の悪影響を緩和または解消できるとしている。