一般財団法人環境イノベーション情報機構
カナダ、全国水銀濃度評価の結果を公表
健康・化学物質】 【掲載日】2016.03.22 【情報源】カナダ/2016.03.18 発表
カナダ環境・気候変動省は、カナダにおける初の包括的な水銀に関する科学的調査となる全国水銀濃度評価の結果を公表した。水銀は、森林火災や火山噴火などの自然現象のほか、石炭燃焼や金属製錬などの人間活動によって生態系へ放出される金属であり、食物網の上位種の魚類および天然の食物を頻繁に摂取する人や、胎児や幼児に特に健康上のリスクがあるという。今回の評価によると、カナダにおける大気への水銀の放出量は1990〜2010年に85%減少したという。一方、カナダの大気中の水銀濃度の減少率は1995〜2010年にかけて18%減に留まった。これは、国内では放出量が減少したものの、地球全体の水銀放出は増加し続けているためで、増加は今後も続くと予測される。カナダに堆積している人間活動に由来する水銀の95%以上は国外に由来し、その大部分が北極圏に堆積するという。この評価結果は、水銀放出や気候の変化が環境および人体の水銀濃度に及ぼす影響に関する基本情報として、政策決定者や研究者に利用される。【カナダ環境・気候変動省】