一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、欧州で循環型経済を目指すための知識基盤をまとめた報告書を公表
【エコビジネス 環境と経済】 【掲載日】2016.02.01 【情報源】EU/2016.01.18 発表
欧州環境庁(EEA)は、原料・エネルギー消費の低減と、再生・再利用可能な資源の活用による「循環型経済」の実現に必要な知識基盤をまとめた報告書を公表した。その中では、循環型経済の概念や重要性、課題をはじめ、進捗を測る方法、研究・政策上で重視すべき分野等が示されている。循環型経済は、環境への負荷を低減しつつ経済成長を図る考え方として、欧州の政策立案において近年、特に重視されている。その構築には、製品設計や生産プロセス、ビジネスモデル、消費パターンなどバリューチェーンを通じた抜本的な改革が必要であり、欧州委員会の2015年「循環経済パッケージ」が重要な役割を担っている。
今回の報告書では、循環型経済の利点として、廃棄物や資源ロスの削減だけでなく、欧州の輸入原料への依存軽減、欧州産業の競争力の強化等も指摘。循環型経済が広がると、従来の直線型経済(資源採取‐生産‐消費‐廃棄)との間で摩擦が生じるが、すでに企業は循環型経済の新たなビジネスモデル(共同消費型サービス等)を導入・試行しているという。また循環型経済への移行には、生産構造・機能、消費動態、資金調達、技術・社会革新の推進方法等の理解向上が重要だとしている。
【欧州環境庁】