一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ環境保護庁、州の境を越えて運ばれる大気汚染物質の規制改定案を公表
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2015.12.04 【情報源】アメリカ/2015.11.17 発表
アメリカ環境保護庁(EPA)は、州の境を越えて運ばれる大気汚染物質の規制(CSAPR)を、国の環境大気質基準(NAAQS)の2008年オゾン基準に沿って改定する案を発表した。EPAによると、改定案は2017年以降、アメリカの東部23州の発電所が排出する夏季の窒素酸化物(NOx)の量を大幅に削減し、その風下での地表オゾン(スモッグ)問題を軽減するという。地表オゾンへの曝露は呼吸器系や心血管系の健康被害の原因になるとされており、EPAは改定案によって数百万人のアメリカ国民の健康と生命が守られ、その健康への利益は12億ドルに上るとしている。健康被害を防ぐほか、湖沼や河口、森林などの生態系を守り、自然公園の視界を高める効果もあるという。この改定案は、大気浄化法の「よき隣人」規定に基づくもので、EPAは、州境を超えて広がる汚染物質に取り組む各州の義務の履行を支援するものだとしている。【アメリカ環境保護庁】