一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ環境保護庁、鉛含有塗料に関する改修規則説明会を実施
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2014.05.30 【情報源】アメリカ/2014.05.16 発表
アメリカ環境保護庁(EPA)は、住宅や学校施設の改修工事の際の鉛含有塗料による鉛曝露を防ぐため、EPAの「改修規則」に関する説明会を、コネチカット州ニューヘイブンで2014年5月20日に実施すると発表した。EPAの改修規則では、1978年以前に建設された住宅や学校等で、鉛含有塗料の剥落等が発生する改修・修理・塗装工事を行う企業は、EPAによる認定を受けること、鉛に対し安全な作業方法(作業エリアをシートで囲む、埃を最小限に抑える、作業後の清掃を徹底する等)の実施を義務付けている。
アメリカでは、民生用の鉛含有塗料は1978年に禁止された。しかし、ニューイングランド地方の建物はほとんどが1978年以前に建てられているため、鉛塗料を使用している可能性がある。特にニューヘイブンは、コネチカット州内で子どもの鉛中毒の発生率が最も高く、曝露に関する意識啓発と改修規則の遵守強化が重要となっている。
このため、EPAは最近、ニューヘイブン地域での改修規則遵守支援と法執行強化に取り組むことを発表しており、2014年4月には地元請負業者のためのワークショップを開催した。5月20日には、住民に対し、鉛含有塗料への曝露と改修規則の主要規定への理解を促すための公開説明会を実施する。
EPAは、最近の法執行の取組で改修規則の遵守が進み、国民の健康保護にもつながったとしている。たとえば、2014年4月のEPAと司法省の発表によると、アメリカの大手ホームセンターが、住宅の改修工事での鉛ダスト(鉛の粉塵)を抑えるため、全米約1700の店舗で全社規模の総合遵守プログラムを実施することに同意したという。【アメリカ環境保護庁】