一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州委員会、土壌劣化に関する報告書を公表、劣化防止への行動を要請
【水・土壌環境 地下水/土壌汚染】 【掲載日】2012.02.27 【情報源】EU/2012.02.13 発表
欧州委員会は、EU内の土壌劣化の深刻な状況を、政策的見地と科学的見地による2つの報告書にまとめ公表した。これによると、1990年から2006年の間に、毎年1000km²の土壌が、不浸透性の人工被覆(舗装や建物等)で覆われ、またフランスの2.5倍の広さに相当する130万km²の土地が水の浸食を受けたという。報告書は、土壌劣化は農産物の生産性を低下させ、渇水や洪水を招き、生物多様性や気候変動にも悪影響を与えるとして、劣化防止への行動を強く要請している。劣化を防止するためには、EUの統一した対策が不可欠であるが、未だに組織的な監視や有効な土壌保全活動は行われていないという。その法的な根拠となる土壌枠組指令を、委員会は2006年に採択したが、欧州議会と理事会ではまだ議論中である。委員会は、EUレベルでの対策に備え、土地使用や農業環境等の実態調査や監視(LUCAS)等を支援し、また、結束政策の一環として、工場跡地や汚染土壌等の浄化・修復のため、31億ユーロを拠出している(2007〜2013年)。現在、欧州議会と理事会は、この政策的報告書に対する意見書の提出が求められている。【欧州委員会】