一般財団法人環境イノベーション情報機構
イギリス、欧州共通漁業政策の改善で、漁業資源の廃棄量を大幅に削減できるとの実験結果を発表
【ごみ・リサイクル その他(ごみ・リサイクル)】 【掲載日】2011.11.22 【情報源】イギリス/2011.11.07 発表
イギリス環境・食糧・農村地域省の委託を受けて海洋管理機構(MMO)が統括実施した漁業割当実験で、貴重な漁業資源の廃棄を大幅に減らせることがわかった。イギリスでは毎日何千トンという魚が海洋投棄されているが、このような漁業資源の無駄は、漁獲量をすべて漁獲割当に算入するよう漁業者に義務づけることで削減できるという。現行の欧州共通漁業政策が漁船に対して定めている割当量は、漁獲量ではなく水揚げ量を規制するものであり、割当量以上の魚を漁港に持ち帰らない限り操業は制限されず、結果的に、食用になる魚が毎日海洋投棄されている。
今回の漁業割当実験は2010年から実施しているもので、参加した漁船は、漁獲量全量を水揚げして割当量に算入すること、割当量に達した場合には操業を停止することを求められる。その結果、大きめの魚だけを漁獲するような漁具の選択や漁場の選択等、漁業者の行動が変化し、持続可能な漁業につながることが示された。参加漁業者が投棄したタラとシタビラメの量は漁獲量の1%に満たず、北海タラのEU平均21%等に比べてもはるかに低かった。欧州委員会は先に共通漁業政策改革案を提出しており、今回のデータは、イギリスがその改革を強く求めていくための裏付けとなる。
イギリスは、投棄処分のように漁業者自身が解決できる問題については、共通規則ではなく、地域ごとの透明性のある規則を適用するべきだとの考えである。【イギリス環境・食糧・農村地域省(DEFRA)】