一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連開発計画、持続可能性と公平性をテーマに『人間開発報告書2011』を発表
【環境一般 調査/研究】 【掲載日】2011.11.18 【情報源】国連/2011.11.02 発表
国連開発計画(UNDP)は、持続可能性と公平性をテーマとする『人間開発報告書2011』を発表した。報告書では、エネルギー生産や生態系保全と同時に、健康や教育、収入、ジェンダー格差への取組みがあってこそ、公平で効果的な環境の持続可能性が達成されると論じている。具体的には、干ばつや海面の上昇等の環境劣化が改善されなければ、50%にも上る食糧価格の高騰や、水・衛生・エネルギーへのアクセス悪化を招くと指摘する。報告書で設定する「環境上の困難」シナリオでは、2050年までに、食糧生産や汚染に対する温暖化の影響で、平均人間開発指数(HDI)が、南アジア及びサハラ砂漠以南のアフリカで2050年に予測される基準値から12%下回り、また、さらに生物多様性の劇的減少や異常気象の増加が起こる「環境上の惨事」の場合は、15%も下がるとしている。これらを食い止めるためには、当局の透明性や独立した監視機能が重要であると同時に、貧困地域に対する地域レベルの支援が、よりコスト効率的で環境にも有益であると報告書は強調している。【国連環境計画(UNEP)】