一般財団法人環境イノベーション情報機構
イギリス、海洋上層部の水温上昇休止要因に関する研究結果を公表
【環境一般 調査/研究】 【掲載日】2011.08.22 【情報源】イギリス/2011.08.04 発表
イギリス気象庁は、温室効果ガスの排出増加が続くにも関わらず、世界の海洋の上層部における水温上昇が休止している要因について研究結果を公表した。これは、イギリス気象庁とオランダ王立気象研究所(KNMI)がそれぞれ行った研究結果に基づくもの。1960年代後半以降、水深700メートルより上層面では水温の上昇を記録してきたが、2003年から2010年の期間、上昇を休止している。KNMIの気候モデルシミュレーションでは、気候システムの自然変動の一部として、水温上昇の休止が定期的に発生することを示している。この要因として、エルニーニョ・南方振動により、海洋表面に蓄積されている熱の多くが大気圏外に放出されていることと、子午面循環によって、700メートルより深層部に熱が一時的に移動することが挙げられている。イギリス気象庁のモデルシミュレーションでも、海洋深層部における熱の移動が海洋上層部の温度上昇の休止につながることが示されている。研究は、海洋内の熱の動きの解明と今後の気候変動の予測につながるものとしている。【イギリス気象庁】