一般財団法人環境イノベーション情報機構
国際エネルギー機関、気候変動の目標達成のため電力の役割について報告
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2011.06.14 【情報源】その他/2011.05.27 発表
国際エネルギー機関は、発電によるCO2発生量を減らすための政策・技術手段を示した『気候と電力年次報告書:データと分析(Climate & Electricity Annual 2011)』を公表した。CO2排出を削減し、気候変動の目標を達成するためには電力の低炭素化が不可欠だが、報告書によれば、
−エネルギー効率の向上
−再生可能エネルギー、原子力、炭素回収貯留
といった低炭素手段を使えば、地球の気温の上昇を2℃に抑えるために必要とされる2035年までの47%排出削減(大気中のCO2濃度450ppm)は達成可能だという。
低炭素の電力供給は、可能ではあるが容易ではない。電力と熱の生産量は、1990〜2008年に55%増加したが、その間、これにより排出されたCO2は64.5%増加した。現時点では、世界の発電量全体では、石炭41%、天然ガス16%など化石燃料が大半を占めている。しかし、再生可能エネルギーが急激な伸びをみせている地域もみられ、今後再生可能エネルギーによる低炭素化は可能である。
エネルギー転換は、低炭素エネルギーでの新規発電能力、需要側の電気使用量削減、電気自動車台数、発電の転換にかかる費用等さまざまな側面があるが、いずれにしても、前例のない規模での転換が必要である。IEAは、そのためには、強力な政策、投資を促す新たな取組、長期的エネルギー目標の政治課題に位置づける方策のいずれも必要だとしている。【国際エネルギー機関(IEA)】