一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界資源研究所、石油・ガス産業による持続可能性報告書への新ガイドを評価
【エコビジネス 環境報告書】 【掲載日】2011.02.24 【情報源】アメリカ/2011.02.10 発表
2011年1月、アメリカの石油・ガス産業は、自部門の持続可能性報告書の作成を支援する手引き書『石油・ガス産業の持続可能性報告書自主的作成ための手引き』を公表した。「国際石油産業環境保全連盟(IPIECA)」、米国石油協会(API)、国際石油・天然ガス生産者協会(OGP)の3団体が、2005年に発表された旧版を改訂した。作成に参加した独立ステークホルダーパネル(ISP)の世界資源研究所(WRI)は、この手引きについて見解を発表し、新たな手引きでは、透明性と信頼性が高まり、気候変動等大きな課題への企業ビジョン・戦略の手引きを入れたこと、生態系サービスや地域社会の参加といった新指標を入れたことが高く評価できるとした。一方、問題点としては、報告の最低基準の設定や目標設定の要求がなく、気候変動やエネルギー安全保障のような大きな課題に対するビジョンの記述もないといった点が挙げられる。石油・ガス産業は、持続可能性とは相反するものとして見られがちだが、今後数十年に大きな役割を果たすため、環境や社会に及ぼす影響を報告する意味は大きい。またエネルギーサービス産業として進化していく可能性もある。WRIでは、持続可能性報告書は、企業自身にも、また投資家や消費者等外部にも、より持続可能性に沿った意思決定を迫る、透明性と説明責任を確保する仕組みであり、この新たな手引を活用した報告書作成を期待するとしている。【世界資源研究所】