一般財団法人環境イノベーション情報機構
中国のポプラ林再生が農業を活性化
【環境一般 その他(環境一般)】 【掲載日】2010.08.18 【情報源】中国/2010.08.06 発表
中国江蘇省泗陽県におけるポプラ林再生事業が成功し、住民の生活と農業に役立っている、と国連食糧農業機関(FAO)が報じている。FAOとイタリアの植物研究機関の30年以上にわたる取組により、着手当時7%だった新既ポプラ林は、現在では47%に達し、10万ヘクタールを超えたという。ポプラは成長が速く適応力に富み、利用方法も多い。特に、荒廃した氾濫原を回復させ河岸を安定させることができるため、かつて洪水、風、黄砂、土壌侵食などで荒廃していた土地も今は耕地となってポプラ林に守られている。ポプラを植えた場所は、畜産、農業、養殖、ブドウ栽培、園芸等さまざまな用途に最適な土地となり、農業生産性が向上して、同県の農民100万人が利益を受けている。また、木材関連の新規事業創出にも努めた結果、地域経済は改善し、市街地、農村ともに一人当たり所得が増加した。また、建築用材、作物保護材、家畜飼料、バイオエネルギー源としても利用される。FAOは、泗陽県のポプラ林再生事業は、科学技術と遺伝資源の国際移転による農村振興の顕著な成功例としている。中国のポプラ植林面積は世界最大で、広く中央アジア地域に技術移転できる能力をもつまでになったという。【中国環境保護部(MEP)】