一般財団法人環境イノベーション情報機構
フランス 屋外広告規制を強化へ
【環境一般 まちづくり】 【掲載日】2009.06.29 【情報源】フランス/2009.06.17 発表
フランスで、広告が景観に及ぼす影響に関する報告書が公表され、屋外広告の規制に関する様々な提案が示された。この報告書は、ジュアーノ閣外大臣(エコロジー担当)とファルコ閣外大臣(国土整備担当)が、2009年1月にフランス議会上院のデュポン議員に委託したもの。広告掲示に関する法律(1979年)の施行から30年が経ち、次期国会で環境グルネル第2法案が審議入りすることを踏まえ、表現の自由を尊重しつつ、広告規制について評価することが求められている。社会の変化、協議に基づく新たなガバナンス、景観保護などを考慮する必要がある。
現行規則は生活の保護という観点から規制を行っているが、適用面で多くの問題を抱えている。この30年間で、広告の圧力は、都市化に伴い、特に都市と都市の間で高まっている。広告手法も、バスなどのラッピング広告、プラズマ画面、回転式の表示板など様々なものが開発されてきた。また、私たちにとって、生活の質の重要性は、景観保護に関わる問題へと変わってきている。
デュポン議員の報告書は、特に、都市と都市の間の広告の影響を制限する方針を打ち出している。幹線道路については、増加する大型の商業広告を削減し、より目立たない地域情報などの道路サインに変更していくことを目指す。また、夜間の照明(ネオン)広告の制限は、エネルギーの節約にもなり、特に大都市では、光害の削減につながる。さらに、学校周辺の広告は禁止し、広告の無い「静かな空間」を設置する。市町村、市町村組合は、協議に重点を置いた手続きに従い、地域の広告規則を策定する としている。
今後、グルネルII法案に関する議論の中で、9月までに結論を出すために、法文の書き換えの必要性など提案に向けた作業が続けられる。【フランス エコロジー・エネルギー・持続可能な開発国土整備省】