一般財団法人環境イノベーション情報機構
中国 株式市場が循環経済型企業を評価 上海での循環経済取り組みが一歩リード
【ごみ・リサイクル その他(ごみ・リサイクル)】 【掲載日】2007.05.24 【情報源】中国/2005.12.08 発表
国家発展改革委員会、国家環境保護総局など6省庁が合同で「循環経済実験事業展開に関する通達」を出し、製鉄、有色金属、石炭、電力、科学、建材、軽工業の7大重点産業が第1次実験産業に入れられた。11月2日、通達リストに入った上場企業の株価は上がり、深センと上海では循環経済の企業グループができあがり、このグループを先頭に、全体が引き上がった。中国の株式市場は、政策により左右される「政策市場」と称されているが、「資本市場の改革開放と安定的発展の推進に関する国務院の若干の意見」を公布後、投資家の間では政策の影響力は減ってきているとの見方が多い。このような株式市場政策と関連が高くない情報が株価を上げる要因となっており、関係者の予測を超えるものであった。
上海の循環経済への取り組みは他の地域に比べて一歩リードしている。浦東地区に位置する御橋ゴミ発電所は毎日1000トン以上のゴミを処理しており、これは市内生活ゴミ量の2割以上である。このゴミ焼却発電所で発電された電力は周辺の5万世帯に供給されている。燃焼で残ったフライアッシュはレンガやエコ型セメントの材料としている。以前は、これら生活ゴミは埋め立て処分されていたが、土地を取るだけでなく事業費も高かった。現在、上海に2つのゴミ焼却発電所があり、華東電力ネットワークに年間1億kWhの電力を供給している。
バスフなど30以上の世界の大企業が集まる上海化工区では、上流企業の製品や廃棄物が下流企業の原料やエネルギー源になっており、「減量化、リサイクル」の一体化循環産業チェーンが形成されている。これら循環の中で、工業余熱を回収して日量20万kWh発電し、またゴミ焼却で1時間当たり5000kWh以上発電している。
現在、上海の工業固形廃棄物回収利用率は97%になり、年間の省エネ量は石炭換算で140万トンになる。昨年、上海の工業総生産額は1990年の7倍になったが、1万元工業生産額あたりの総合エネルギー消費量は7割近く低下し、都市経済システムと生態系の良性循環が始まっている。2004年末、上海の1万元GDPあたりのエネルギー消費量が全国最低レベルにあり、全国平均の半分以下のレベルである。【中国環境報】