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環境ニュース[海外]

中国 上海:廃家電処理体系を模索

ごみ・リサイクル リサイクル】 【掲載日】2007.05.14 【情報源】中国/2006.04.06 発表

 電子廃棄物の回収と処理の問題を解決するため、上海市は04年末に上海電子廃棄物交投中心有限公司を設立した。同社は設立後1年以来、廃棄物の売買回収ネットワークや収集処理場の建設、技術研究などの分野で多大な努力をしてきた。
 同社は07年には上海市内で電子廃棄物売買回収ネットワークシステムが完成させるという。このネットワークでは、市内全域の272ヵ所の廃品回収ステーションを1級基幹ネットワークとし、各産業分野別の2次センターを2級ネットワーク、また各区や県別の3次センターを3級ネットワークとする計画である。点、線、面で結合された電子廃棄物の立体的な回収ネットワークを形成するもので、07年の回収処理量は5000トン達成を目指し、2010年には3万トン達成を目標としている。
 同社は一方で、拡大生産者責任制を確立する組織機関を設立する予定。これも同社の重要事業の一つで、同機関は電子廃棄物の回収・処理・リサイクルの過程で、市場メカニズムに基づき形成される組織であり、各産業に対する専門性を特徴としながら、産業をまたぐ管理も行うもので、「費用の補償」や「運営メカニズム」、「処理技術」、「リサイクル指標」、「統一的計画」など業務範囲内でより多くの責任を担う。政府と企業が協力や交流を行う橋渡しの機能を発揮する。
 上海電子製品補修サービス協会の兪金標・常務副会長によれば、『上海市電子廃棄物回収処理暫定規定(草案)』に基づき、同市は電子廃棄物回収システムを大規模に建設する計画である。政府機関や銀行などの部門から回収事業の宣伝を行い、段階的に民生用家電にまで拡大する予定で、回収ポイントは市内の区や県、居住エリアを全面的にカバーするという。街角や通りで中古家電製品の回収を行っている自営業者も今後は同市の計画に組み入れる予定で、電子廃棄物の回収知識に関して研修を行う計画もあり、今後、上海市民は自宅前でも電子廃棄物を捨てることが可能になる。環境破壊への懸念も不要になり、政府部門からも一定額の補償を受けられる仕組みである。
 同常務副会長によると、回収した廃棄家電製品はいずれも測定部門の検査を受けなければならない。有効期限内の製品については独自のラベルが貼られて初めて中古家電市場に流通することが可能になり、この規定に違反した場合は関連部門の処罰を受けると説明。使用期限を超過した製品については強制的に廃棄処分を行い、製品の所有者に対し通常は政府が1台ごとに30元から50元程度の金額を支払うことになる。規定以外の場所に電子廃棄物を廃棄することを防止するのが目的である。【中国環境報】

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