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環境ニュース[海外]

廃プラ回収率20%に満たず 中国には効率的廃プラ回収体系整備が必要

ごみ・リサイクル リサイクル】 【掲載日】2007.05.14 【情報源】中国/2006.06.22 発表

 中国は「再生資源回収利用第10次五カ年計画」の中で、2005年までに中国国内の廃プラ回収量を年間500〜600万トンとするとしていたが、実際には2004年に回収した廃プラスチックは200万トンあまりしかなく、同年に回収可能な廃プラは1400万トンに達していたものの、大部分が回収されなかった。
 北京隆達軽工控股有限公司の王彦明副総工程師によると、これは中国の現在回収分類等級制度が未整備であることが原因であるという。企業が生産過程で産出する端切れや残り物などは分類回収されやすいプラスチックに入るが、生活用プラスチック製品には分類回収困難な問題がある。一方では、市民の環境意識が弱く、プラスチック分類回収の方法は周知されておらず、多種のプラスチックの分類回収はまだなされていない。また、プラスチック製品の原料分類表示も不明瞭である。このほか、新しいプラスチック製品の回収は人々の注意を引かず、CDや家電プラスチック、自動車用プラスチックの回収活動は細分化しなければならない。
 これ以外にも、中国の業界内の小企業は多く、プラスチック回収では強みを発揮できず、プラスチック回収率も低くなる。PETボトルを作るポリエステルの再生ペレットは高級再生材料に属するが、実際には繊維生産企業が低価格な繊維に加工利用している。実際、集ポリステルPET再生材料は高価格製品に使用可能である。生活用品または工業用品に使用されたあとも、二度三度の再生利用ができる。これも中国のプラスチック分類管理の不徹底と直接関係がある。
 中国プラスチック加工工業協会の馬占峰副秘書長は、四つの提案を出した。第一に、プラスチック製品が市場に入る前にプラスチック材料表示を導入し、プラスチックの材料属性を明記して回収時に分類しやすくすること。これにより、その価値を十分に利用でき、効果も高めることができ、浪費を防ぐことができる。第二に、様々なプラスチック類の分類、粉砕、洗浄、ペレット加工などに適する専用のプラントを開発し、全廃プラ回収利用過程中の技術水準を一層引き上げ、再生資源を十分に利用、節約し、環境保護に有利にすることを目指す。第三に、廃プラ材料の利用研究への資金投入を拡大し、国家が廃棄物利用分野で廃プラリサイクル製品の使用をできるだけ推奨する。例えば木材プラスチック複合材料製品は貨物運輸や港の積み下ろし用板、高速道路のガードレールや境界表示などに使われ、廃ポリスチレン発砲スチロールはペンキ、塗料粘着剤等に使われる。第四に、廃プラ材料を社会に役立たせるために、廃プラリサイクル製品の国家・産業基準を制定改定し、適用範囲を規範化しなければならない。【中国国家環境保護総局】

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