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環境ニュース[海外]

欧州委員会 新化学物質戦略を公表

健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2001.04.04 【情報源】EU/2001.02.13 発表

 欧州委員会は、化学物質に関するEUの将来的な戦略を示しす白書を採択した。新化学物質戦略の中心的な原則は予防原則(the Precautionary Principle)であり、適切な代替物質が使用できるのであれば、より危険性の少ない物質への代替を促すことを重要な目的としている。

 新戦略の鍵となる要素として、以下の事項が掲げられている。
・既存化学物質(1981年9月以前に市場に出された物質)及び新規化学物質(1981年9月以降に市場に出された物質)双方の有害性、使用方法について、同じ程度の知識を提供する効果的で、単一の規制枠組みを設定する。
・化学物質の試験及びリスクアセスメントについて、政府から業界へ責任を戻す。
・高い保護水準を保ちつつ、技術革新及び競争力を強化する。
・ほとんどの危険な物質に対し厳格な管理をなし得るよう、個別に適合した許可システムを導入する。
・化学物質に関する透明性と情報を増大させる。

 具体的な施策の中心は、化学物質を「既存」と「新規」の2つのカテゴリーに分類し、異なるテストを要求している現状を改め、1つの統合的なシステムに転換することにある。新しい統合的な評価システムは以下の3つを柱とするもので、REACHシステムとして知られている。

(1)企業は、生産量が1tを越える既存・新規化学物質(約3万件)について、基礎的な情報を提出することとされ、これを中央データベースに登録する。登録書類の提出期限は、当該化学物質の生産量に応じて、以下のとおり定められている。
 a.1000tを超える場合、2005年末まで
 b.100tを超える場合、2008年末まで
 c.1tを超える場合、2012年末まで
(2)生産量が100tを超えるすべての物質(約5000物質で全体の15%にあたる)または、生産量100t以下の物質についても必要な場合には、政府当局が登録情報を評価
(3)発ガン性、突然変異誘発性、生殖への有害性を有する物質(carcinogenic,mutagenic,or toxic to reproduction:CMRs)、残留性有機汚染物質(persistant organic pollutants: POPs)についての許可

 なお、POPs以外の残留性、生物蓄積性、有毒性を有する物質(PBTs)、及び強い残留性、強い生物蓄積性を有する物質(VPVBs)については、更なる調査を行った上で、取り扱いを決定することとなった。
 今後、欧州委員会は、白書を理事会及び欧州議会に提出し、関係者を交えて、施策の実施方法などについて議論を進めていく。【欧州委員会環境総局】

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