一般財団法人環境イノベーション情報機構
クレー射撃での鉛弾使用規制 遵守状況は良好 土壌汚染も改善へ
【水・土壌環境 地下水/土壌汚染】 【掲載日】2005.11.28 【情報源】オランダ/2005.11.04 発表
オランダでは、クレー射撃法(2004年12月制定)によって、クレー射撃における鉛弾の使用が禁止されているが、この規制の遵守状況が明らかになった。クレー射撃場を対象とした調査によると、規制が導入されてからは、鉛弾が使用されていないという。また、鉄弾や他の環境にやさしい代替品が使用されたことで、射撃場における土壌への鉛の排出も、もはや問題になっていない。これまでは、射撃場において、年間200トン程の鉛が使用されていたと推定されている。これは、毎年、土壌に排出される鉛の約40%以上を占めていた。
また、クレー射撃法では、競技に使われるクレーピジョン(的になるお皿)の組成についても基準が設定されている。これは、クレーが高濃度の多環芳香族炭化水素類(PAHs)を含んでいたため。これまでは、年間1.1トン近くのPAHsが土壌に放出されていた。今回の調査では、新しいクレーに含まれるPAH濃度は、基準値よりずっと低く、状況が改善されていることが分かった。
ただし、調査では、数カ所の射撃場で、指定された場所の外側に弾丸が落ちていた。住居・国土計画・環境省の検査官は、市町村に対し、こうした場所については、安全性の検査を行うよう助言した。また、農用地が影響を受けている場合には、市町村が鉛汚染に関するテストを行い、汚染土壌を農用地に利用することを制限、または禁止するよう勧告した。【オランダ住居・国土計画・環境省】