一般財団法人環境イノベーション情報機構
バイオマス作業部会が最終報告 暖房への利用を強調
【エネルギー バイオマス】 【掲載日】2005.11.11 【情報源】イギリス/2005.10.25 発表
イギリス環境・食糧・地方省および貿易産業省が委嘱するバイオマス作業部会の最終報告書が、10月25日に発表された。同報告書によると、バイオマス(森林、農作物及び廃棄物起源の燃料)を暖房に利用した場合、国内で年間約300万トンのCO2を削減することができるという(自動車325万台分の排出量に相当)。作業部会会長のベン・ジル卿は、熱供給はイギリスのエネルギー消費量の40%を占めており、石油価格が高騰する中、バイオマスによる暖房は経済的に魅力的な選択肢となりつつあり、また、CO2削減対策としても、他の方法と比べて安く上がる と述べた。そして、年間2000万トンのバイオマスが利用可能という推計を示し、政府の課題は、この大きな可能性の扉を開くことだと述べた。
同作業部会は、バイオマス暖房用ボイラー導入への補助制度の導入、公共施設における利用など、42項目に及ぶ勧告を行っている。さらに、報告では、バイオマスボイラーを導入して成功した事例として、環境・食糧・地方省のウースターのオフィスやチェシャーの学校(エネルギー消費量を75%以上削減)などが紹介されている。
作業部会は、発展の最大の障壁は、バイオマスに関して知られていないことだとして、政府に対して、今後6ヶ月以内に、バイオマスに関する統一的な情報提供拠点を整備するとともに、政府の建築物で模範を示すよう、エネルギー白書2003年版の公約を果たすべきだと勧告した。【イギリス環境・食糧・地方】