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環境ニュース[海外]

欧州 エネルギー供給戦略に向けた報告書を公表

エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2001.04.04 【情報源】EU/2000.11.29 発表

 気候変動問題に対処し、石油・ガス等不安定な輸入エネルギーへの依存を減らすためには、エネルギー消費量を減らすために革新的な手段を講じ、原子力エネルギーについても一つのオプションとして考えていく必要がある−EUの将来のエネルギー戦略に向けた議論のたたき台として、こうした内容の報告書(グリーン・ペーパー)が、11月29日に欧州委員会で採択された。これは、1970年代以降の欧州エネルギー政策に関する初めての大規模なレビュー。
 報告書では、エネルギー供給については、現在、EUの輸入エネルギーへの依存度は約50%程度だが、このまま何もしなければ、20〜30年後は70%程度に上昇すると予測。また、エネルギー消費については、特に、運輸部門(石油製品消費のほぼ半分を占める)、電気部門(消費量が年率2%上昇中)において増大傾向にあるという。
 こうした状況を踏まえ、報告書では5つの分野において、長期的なエネルギー戦略の大筋が示されている。
(1)無駄づかいをやめること・・・消費者に行動の変革を呼びかけ、税手段を活用。省エネ政策、より汚染の少ないエネルギーへの代替政策を提案。
(2)真に代替的な運輸政策・・・鉄道への重点的な投資、マイカーの合理化、輸送の効率化等を進める。
(3)新エネルギー再生可能エネルギーの開発・・・EUでは再生可能エネルギーのシェアを、現在の6%から、2010年までに12%に引き上げるという目標を掲げているが、このままでは7%程度で伸び悩むと見られている。目標達成のためには、助成や免税措置など財政的な支援が必要。
(4)自給の維持・・・中期的には、原子力についても議論の対象から外すのではなく、議題として取り上げる必要がある。核廃棄物の管理、安全な操業に関する調査を進める。
(5)共通の問題に対する共通の解決策・・・エネルギー備蓄の戦略的な利用、エネルギー税制の共通化、エネルギー供給ネットワークの強化・分散化など、EU内の政策連携を強化。
 欧州委員会では、用意された戦略をそのまま提案するつもりはなく、今回の報告書を元に、幅広く、革新的な議論が行われることを期待しているという。【欧州委員会 】

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