一般財団法人環境イノベーション情報機構
EPA ヒ素化合物の遺伝子毒性に関する研究報告公表
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2001.04.27 【情報源】アメリカ/2001.04.19 発表
ヒ素化合物とDNAの損傷とが直接関連している可能性があることを、EPA研究開発局( Office of Research and Development)の研究所の科学者チームが発見した。EPAの毒物学者及びEPAの国立健康環境影響調査研究所(National Health and Environmental Effects Research Laboratory)の研究員が、ノースカロライナ大学およびブリティッシュ・コロンビア大学と共同で、ヒ素化合物に対する、ヒトの細胞の代謝反応によって遺伝子の損傷の原因となる化合物が生成されることを実証した。トリメチルヒ素(Trivalent Methylated Arsenic)が、培養されたヒトのリンパ細胞および分離されたDNAに及ぼす影響について研究を行った結果、ヒトの体がヒ素を解毒化する際に生成されるトリメチルヒ素の派生体が、DNAを破壊する化合物となることが明らかになったという。
無機ヒ素(inorganic arsenic)は、アメリカの一部の地域において、水および土壌中に自然に存在しているが、皮膚がんや内臓がん等と関連づけられてきており、ヒ素化合物とDNAとの相互作用に関する研究が進められてきた。
この研究成果を記した論文が、「トリメチルヒ素類 遺伝子毒性を有す
(Trivalent methylated arsenic species are genotoxic)」との題名で、「ケミカル・リサーチ・イン・トキシコロジー(Chemical Research in Toxicology)」4月16日号に掲載されている。 【EPA】