一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ環境保護庁、竜巻等の被災地に対し含鉛塗料による中毒への注意を呼びかけ
【健康・化学物質 その他(健康・化学物質)】 【掲載日】2011.05.23 【情報源】アメリカ/2011.05.11 発表
アメリカ環境保護庁(第4地方事務所)は、同国東南部で相次いでいる竜巻、暴風雨、洪水等の被災地に向け、がれきの片付けや建物の修理の際に、鉛中毒のリスクを避ける手段を講じるよう注意を呼びかけている。含鉛塗料を塗った建材が破損すると、塗布面が剥がれて鉛を含む塵埃が発生する。特に子どもと妊娠中の女性を、こうした作業環境に近づけないよう注意が必要である。通常の改築作業でも、含鉛塗料塗布面のヤスリがけ、切断、解体等で、鉛を含む埃が発生する。子どもの鉛への曝露の最大の曝露源が、こうした鉛を含む埃である。鉛に曝露すると、子どものIQの低下、学習障害、発達遅滞、行動障害などがおこることがある。含鉛塗料の住宅への使用は、1978年に禁止されたが、それまでに含鉛塗料を使用して建設した住宅は約3800万戸に上るという。
EPAは改修・塗装のための規則(RRP)を定めており、通常の作業で含鉛塗料面の剥離等を行う場合には一定の制限を設けている。しかし災害復旧作業では、その性質上、RRPの緊急条項が適用され、事前の通知や作業者の訓練・認可、警告表示、囲い込みの必要などは除外される。【アメリカ環境保護庁(EPA)】